最近、足が攣りやすい・・・。こむら返りが起こった。運動中にとつぜん足が痛くなった。
こんなお悩みはありませんか?
なぜ足が攣るの?
4月に入り、ポカポカと暖かい陽気を感じられる季節になりました。
ですが最近、寝起きに足が攣ってしまいました。
起きた瞬間に「痛い!」となってしまい、せっかくの朝も憂鬱です。
なぜ、こんな症状が起きるのでしょう。
どうすればこのような症状が出にくくなるのでしょうか。
体の中で何が起きているのか、そして具体的な対処法を、東洋医学の観点から紐解いてみましょう。
春は病、肝にあり
2000年前に著された漢方の古典『素問』では、「春は病、肝にあり・・・。」と記されています。
「春の病の原因は肝にある」???
「肝」って「肝臓」のこと?
東洋医学の「肝」は、現代医学の「肝臓」とは微妙に異なりますが、だいたい肝臓のことを指していると思ってもらってかまいません。
東洋医学は「陰陽論」と「五行論」という2つの東洋思想を元に作られました。
このうち「五行論」では、世界のすべてを木・火・土・金・水の5つの要素に分けています。
「五行論」によると、「春」は「木」にあたります。春は樹木がグングン育つイメージがありますよね。そのため、昔の人は春と木を関連付けたと言われています。
「五行論」では人間の肉体も5つに分けています。では、「木」と関連する体の部位は何でしょうか?「五臓の色体表」によると下記のつながりがあります。
春 - 木 - 肝 - 胆 - 筋 - 爪 - 目
「肝」の他にも「胆」「筋」「爪」「目」がありますね。ちなみに春の色は青色です。
「肝」は「気の巡り」と「血の貯蔵」を行っている
- 気の巡り
「肝」は「気(エネルギー)の流れ」をコントロールしています。そのため、「気」がふさいだり、イライラが溜まったりするときは、「肝」の「気」の流れが悪くなったと考えます。
春になると陽気が増え、寒さで震えていた体も温かくなり、身体活動が活発になります。樹木が上に伸びていくように、「気」も上に上昇しようとします。春になると、咳や鼻水、ニキビや湿疹、頭痛、めまいなど、体の上半身に症状が出やすくなるのはそのためです。
「肝」のバランスの崩れが精神面に作用すると、怒りやすくなったり、目が充血したりします。感情のコントロールも行うので、ストレスには要注意です。
- 血の貯蔵
「肝」は「血(栄養成分)」を貯蔵し、循環量を調節させる働きがあります。「心」とも深く結びついていて、「肝」から送られた「血」を「心」が全身に送り出します。「血」をきれいに浄化し、身体全体に送り込むのが「肝」の役割です。
「肝」に蓄えられるはずの「血」が不足すると、肝臓を通る経絡(気血の通り道)から、目や筋肉へ「血」の栄養が行きわたらなくなります。
足が攣ったり、こむら返りが起きたりする原因がここにあります。
つまり、「肝血」不足で足の筋肉が攣っていたのですね。こむら返りも同様です。
同じことが爪や目にも起きるため、「肝血」不足で視力が落ちたり、爪が割れやすくなったりします。
現代医学的に解説すると、肝臓は、胃や小腸で血液に取り込まれた栄養分を、全身で使えるように加工する工場です。また、全身から集められた血液に含まれる老廃物を、代謝する働きがあります。 |
足の攣りを起こさないためにできることは?
「足の攣り」の原因がわかったところで、さて、どうすれば改善するのでしょうか?
肝臓を強くし、きれいな血液を増やすために私たちができることは何なのでしょうか?
それは、十分な睡眠と、肝血不足を補う食事です。
十分な睡眠
睡眠は夜にしっかりとるようにしましょう。特に「肝」の時間といわれる午前1~3時の間は、就寝していることが望ましいです。この時間帯に肝臓での代謝が盛んにおこなわれているともいわれています。
肝血不足を補う食事
セロリやシジミ・ハマグリ・アサリなどの貝類はビタミン・ミネラルが豊富で肝臓の働きを高めるため、春先にお勧めの食材です。
- セロリ
春が旬の野菜です。肝の働きを良くして、目のトラブルやめまい、のぼせ、イライラ、頭痛など、気が上昇して熱を帯びた状態を取り除く作用があります。また利尿作用があり、むくみ改善にも役立ちます。セロリはセリ科で独特な香りがあり、気の巡りを良くする効果があります。食べるときには香りも楽しんでみてください。
- ハマグリ
春が旬の食材です。体の熱を冷まし、潤いを与える作用があるので、春先の呼吸器異常を予防します。体を冷やす性質があるので、冷え性の人は温める作用のあるしょうがと組み合わせると、肝機能の低下や二日酔いの症状を改善します。
- アサリ
ほてりを鎮め、利尿効果でむくみ改善に良い食材です。血を補って精神を安定させる効果があるので、春のイライラや五月病にもおすすめです。
それでも困ったら
春は新しい生活が始まるため、ストレスが溜まりやすい季節です。いろんな行事が重なり、心身ともに疲れる日々が多くなります。ただでさえ溜まりやすいストレスをうまく発散させないと、急激な変化に「肝」の機能が追い付かず、バランスが崩れてしまいます。
「肝」を労わるためにアルコールや暴飲暴食を控え、しっかりと睡眠をとって疲労をためないことが大切です。
上記のように生活習慣を改善したり、食事を見直したりしても、なかなか具合がよくならない。
そんな方は一度、当店にてご相談ください。
当店ではお客様の症状や体調をじっくりとお聞きした上で、お客様一人ひとりに合った漢方薬や健康食品をご提案させていただきます。
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