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風邪と養生法~1月~

風邪と養生法~1月~

2020-01-20

一段と寒さが強まるこの季節、皆様は『風邪(かぜ)』などひかれていませんか?

『風邪』とは一般的に、頭痛、発熱、咳、鼻水などの症状を引き起こす風邪症候群のことで、感冒(かんぼう)とも呼ばれます。

~西洋医学的解説~

『風邪』とは、上気道(鼻やのど)が微生物に感染することによって発症する上気道感染症のことで、原因微生物の約90% はウイルスが占めています。残りの約10%は細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどウイルス以外による感染です。風邪ウイルスは約200種類以上あり、同じウイルスにも異なる型が何種類もあります。毎年突然変異を起こして新しいウイルスや型が出来るため、体内で抗体が出来ても、次のシーズンには新しいウイルスに感染してしまいます。

~東洋医学的解説~

いわゆる『風邪(かぜ)』は、東洋医学では『感冒』と呼ばれています。
『感冒』は病状の軽重によって診断病名が変わります。

<感冒の別名>
・傷風(しょうふう)
   感冒の症状が軽いもの。主に「季節の気」を感受したもの。
・重傷風(じゅうしょうふう)
   感冒の症状が重いもの。主に「季節外れの邪」を感受したもの。
   老人や乳幼児・虚弱者が重傷風に罹ると他の病気を誘発することがある。
・時行感冒(じこうかんぼう)
   感冒が一定の期間に広く流行し、症状が類似する場合を「時行感冒」
   あるいは「流行性感冒」と呼びます。これは「インフルエンザ」の
   特徴に類似します。

~風邪の正体~

さて、『風邪』の正体ですが、その字の通り、「風(ふう)邪(じゃ)」の一種です。

東洋医学では病気の原因のことを「邪」と呼びます。
「風邪(ふうじゃ)」は春季に発症しやすいのですが、風は季節を問わず吹くため、他の季節にも発生します。
「風邪(ふうじゃ)」の性質は陽で熱を発し、汗をかきやすくし(発汗)、上部が侵され(頭痛)やすくなります。また症状が変わりやすく、発症する部位や症状、時間も様々です。「風邪」に侵されると他の邪気を誘導するため、大きな病気につながりやすくなります(風は百病の長)。風邪は万病の元とも言いますね。
西洋医学的に言うと、風邪ウイルスにが「風邪(ふうじゃ)」 に相当するということになるのでしょう。でも風邪ウイルスが蔓延していてもかぜに罹らない人もいますよね。このとき問題になるのが体の抵抗力(免疫力)です。

体力や免疫力のことを東洋医学では「正気」と呼び、エネルギー不足で免疫力や自然治癒力が低下した状態を「正気の不足(虚)」と呼びます。

正気 > 邪気 ← 正気が邪気に勝っているとき。
          この状態では人は病気になりません。

正気 ≒ 邪気  ← 人の体力と病気の邪気の力が同等のとき。
          抵抗力のある人が強い邪気と戦っているときには
          高熱や重い症状が出ることがあります (実証) 。

正気 < 邪気 ← 正気が不足すると、邪気が強くない場合でも
          発病することがあります(虚証)。

1月の養生法

上記に記載した通り、体の抵抗力(免疫力)が高いと病気に罹りにくくなります。どんな季節にも共通することですが、免疫力を向上させることが風邪予防にとって大事なことです。

免疫力を上げて風邪に罹りにくい体作りをしましょう!!

●体を暖かくして、寒邪を侵入させないようにする(特に冬季)
●睡眠を十分にとって、暴飲暴食をやめましょう。
●手洗い、うがいをしっかりして、体内に邪気(ウイルス)を入れないようにしましょう。
●冷たいものはなるべく控え、なるべく暖かいものを食べるようにしましょう。
●汗をかくと汗腺が開いて邪気が侵入しやすくなったり、体表が冷えたりするので、汗はすぐにふき取るようにしましょう。

風邪にかかわらず、普段から邪気が侵入しない生活を送ることは大事ですね。
次回は風邪にかかわる漢方薬について解説します。