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季節の東洋医学的解説~9月~

季節の東洋医学的解説~9月~

2020-09-28

「9月」

陰陽五行:酉・陰・金・肺  

二十四節気:白露(9月7日)
        明け方、草木に露がつくことが多くなる時期。
        本格的な秋の到来です。
      秋分(9月22日)
        秋の彼岸。昼夜の長さがほぼ同じになる日です。

雑節: 彼岸(9月19日~9月25日)
       9月の秋分の日をはさんで前後3日合計7日間。
     
  *雑節とは日本独自の暦のこと

秋分の日を境に昼夜の長さが逆転し、秋が深まっていきます。涼しくなって過ごしやすくなりますが、空気が乾燥してきます。秋は五行で「金」に属し、「肺」と関連性が深まります。乾燥が強くなると「肺」にトラブルが起こりやすくなるためです。この時期は乾燥による「燥邪」に気を付けましょう。

秋の養生法

秋は肺を潤すものを積極的に摂り、乾燥の邪気から身体を守って冬に備えるようにしましょう。酸っぱいものと甘いものは身体に潤いを与えるので、秋に収穫される旬の食材から選んで食べると良いでしょう。激辛料理、多量の酒、焼いたり煎ったりする料理は乾燥させる性質を持ちます。それらの料理を食べる時は、脾を補う甘味のものを一緒に摂ると良いでしょう。旬の魚を刺身で食べる時は身体を冷やしすぎないよう、身体を温める薬味と共に食べるようにするのがお勧めです。

秋に起こりやすい症状

肺や気管支のトラブル、咳(空咳)、口の渇き、肌・髪・目・鼻・口(唇)の乾燥、鼻づまり、息切れ、便秘など

おすすめ食材

・津液をつくる食材(甘酸っぱいもの)
  ザクロ、アンズ、ブドウ、ミカン、レモンなどの果物類

・肺を潤すもの(温め過ぎず、冷やしすぎないもの)
  落花生、大根、山芋、木耳、ゆり根、梨、銀杏、イチジク、はちみつ、
  白魚、豚肉、うずら卵など

・身体に潤いを与えるもの
  豆乳、豆腐、黒豆、アンズ、クコの実、白きくらげ、牛乳、湯葉、蓮根、
  黒ゴマ、牡蠣、鴨肉、豚肉など  

・辛味の食材(邪気払い)
  辛味の食材は肺に働き、春夏からの風邪や暑湿の邪気を取り除くことが
  できます。ショウガ、ネギなどの辛味は風邪を発散しますが、食べ過ぎに
  気を付けましょう。また、激辛料理や酒、コーヒーなどは乾燥がますます
  進むので、ほどほどに摂るようにしましょう。

《編集後記》
今年は残暑が厳しく、まだ日中は暑さを感じますが、ようやく涼しくなり秋らしい季節に。奈良公園にも人が戻ってきて、鹿たちが「鹿せんべい」をねだる姿がよく見られるようになりました。この季節は初夏に生まれた小鹿が公園デビューをしているため、あちらこちらで可愛いバンビが見られます。また鹿の発情期でもあり、牡鹿が体に泥を塗りつけて「化粧」を施している姿も見ることができます。

これからますます乾燥が進み、肺や気管支にトラブルが起きやすい季節になります。肺を十分に潤して外邪を防ぎ、コロナやインフルエンザなどの感染症に負けない身体づくりをしていきましょう。