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第77回正倉院展のお目当ては「蘭奢待」
正倉院宝物とは
正倉院宝物は、 校倉造づくりで知られる正倉院正倉に、約1300年もの時を超え守り伝えられてきた宝物群です。奈良時代に日本を治めた聖武天皇のご遺愛品をはじめ、平城京に花開いた天平文化の粋を伝える貴重な品々で構成されており、その数はおよそ9000件にものぼります。今日まで守り伝えられた稀有の宝物群で、世界的にも極めて高い価値を誇っています。
第77回正倉院展の主な出展物
- 「木画紫檀双六局」(北倉37)
- 「鳥毛篆書屏風」(北倉44)
- 「黒柿蘇芳染金銀山水絵箱」(中倉156)
- 「花氈」(北倉150)
- 「瑠璃坏」(中倉70)
- 「黄熟香」(中倉135)
チケットを入手
数年前に初めて正倉院展に行きましたが、あまりの人の多さに辟易して、その後は行っていませんでした。
ですが今回は蘭奢待が出展されるため、何としても行かねばと思いチケットを入手しました。
以前は当日並んで入った記憶があるのですが、今回は日時指定の入館チケットを取る必要があったため、ネットでローソンチケットを購入。チケットがあまり残っておらず、日曜日のレイトショーを取りました。レイトショーは少し割引になるため、若干お得な気分でした。
当日の様子
日時指定のチケットを持っているので、あまり並ばずに済むと思い、5分前に博物館に到着。
だがしかし!びっくりするほどの長蛇の列。20分くらいは並んだでしょうか。入館自体はスムーズに済んで良かったです。
名香「蘭奢待」として世に知られる「黄熟香」
何と言ってもお目当ては蘭奢待(らんじゃたい)。わりと初めの方に展示されていました。

時の権力者たちがこぞって欲しがったという名香。その香りを最近人工的に再現したという話を聞き、正倉院展で展示(あるいは販売)していないか期待したのですが、それはありませんでした。
とても残念だったのですが、なんと隣に立っていた男性が何やらスーハ―されているではないですか!
どうも再現した香りをしみこませた栞を持参されていたようで、ほのかに私の所まで香ってきました。
なんというラッキー!!
「もらい香」、しかも想像による人工の香りですが、少し蘭奢待の香りを味わえたように思えました。
メインの展示は「瑠璃坏」でした
聖武天皇ゆかりの品
聖武天皇ゆかりの品は、双六や矢など、玩具に関するものが多かったように思います。双六も瑠璃や琥珀で作られているようなものがあり、なんとも豪華な玩具です。天皇ともなると、玩具も宝石で作られるのですね。
ちょっと面白かったのは、大仏開眼に使った筆です。筆自体はとても大きくて貴重なものだったのですが、その筆に長い紐を取り付け、その紐をたくさんの人で持ち祈りを捧げたというお話。紐も色褪せずに展示されていましたが、話を聞かないとその辺にある紐と何ら変わらない紐でした(こんな事言ったら怒られそう)。
青く美しい瑠璃坏

一番最後のエリアに展示されていたのが、瑠璃坏(るりのつき)でした。
ライトアップされており、光を通した青い文様が土台に映りこむ素晴らしい展示でした。
瑠璃坏はガラス部分は西アジアで作られ、脚は東アジアで取り付けられたと考えられています。遠路はるばるシルクロードを渡り、正倉院正倉で大切に保管され、今私たちの目の前にその美しい姿を現してくれています。
(画像は公式サイトから引用)
