季節の東洋医学的解説~2月~

季節の東洋医学的解説~2月~

2020-02-25

「2月」

陰陽五行:寅・陽・土または木・脾または肝
二十四節気:立春(2月4日)
        この日から暦の上では春となります。
      雨水(2月19日)
        雪から雨へと変わり、降り積もった雪も溶け出す頃。
雑節:冬の土用(1月18日~2月2日)
      立春までは土用の期間となり、土の影響を受けます。
      雑節の「土用」というのは立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間の
      ことです。この間は土いじりなどを避ける方が良いとされています。
   節分(2月3日)
      立春の前日(旧暦の大みそか)。邪気が入りやすい日と考えられた
      ため、様々な邪気払いの行事が行われてきました。
*雑節とは日本独自の暦のこと

最も太陽の出る時間が短い「冬至」。昼夜の長さがほぼ同じになる「春分」。
この二つを二等分した日が「立春」です。
旧暦では立春近くに正月が巡ってきたため、「立春」は春の始まりでもあり、1年の始まりでもありました。まだまだ寒く感じられる季節ですが、「陰」が極まった中に「陽」が生まれ、新しく芽吹く草花や梅の花などに春の訪れを感じられるでしょう。

陰陽では、2月は「陽」です。 自然界では「陽気」が増加するため、動物が冬眠から目覚めたり、木々が芽吹いたりします。人も同様に陽気が増え、新陳代謝が高まり、細胞が活性化します。

五行では2月3日までは「土」に、それ以降は「木」に属します。自然界では「陽気」が増加するため、動物が冬眠から目覚めたり、木々が芽吹いたりします。人も同様に陽気が増え、新陳代謝が高まり、細胞が活性化します。「土」は「脾」を、「木」は「肝」を主るため、今月は肝脾を考慮した食生活が望まれます。

春には「風」が起こるため、「風邪(ふうじゃ)」と関係のある疾患も起きやすくなります。風邪による症状は主に体の上半身に現れます。この時期に体調が悪くなりがちな人は、抵抗力が低下している正気不足の人が多い傾向にあります。アレルギー体質の人は悪化しやすくなるので特に気をつけましょう。

潤いの足りない陰虚タイプの人は、血・津液がさらに不足しやすくなるため、肝の陽気をコントロールできない「肝陽上亢」という状態 (イライラやストレス、肝臓や目・爪のトラブル) になりやすいので注意が必要です。

春の養生法

おすすめ食材

肝に不足している血・津液を補うもの
  クコの実、黒ゴマ、牛乳、牡蠣、ハマグリ、ホタテ貝、アワビ、イカなど

・肝の働きを助けて解毒するもの
  菜の花、空芯菜などの旬の青い野菜

・肝の熱を冷ますもの
  セロリ、トマト、菊花、クラゲ、アワビ、ハマグリなど

・上半身の熱をさますもの
  セロリ、春菊、タンポポ、菊花、
  苦味のある山菜類(アレルギーの人は注意)

・脾を補う甘味のものを適度に
  冬の間に脾胃など臓器の機能が寒さによって低下しているので、
  脂っこいものや味の濃いものは避けるようにしましょう。
   

今年は新型コロナウイルスが発生しています。免疫力を強化するためにも季節に合った食生活は重要かと思われます。この時期は季節の変わり目で体調のトラブルが起きやすいため、なおさら心身を整えることが大事になります。ウイルスに負けない体づくりを頑張りましょう。