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免疫力を上げよう!

昨今話題の「免疫力」

「免疫力」を上げる食事やサプリメント、運動療法などなど、話題はたくさんありますよね。でも「免疫力」って何だろう?そう思ったことはありませんか?

今回は「免疫力」とは何ぞや? といった話を西洋医学と東洋医学の両面からお話します。

「免疫力」とは何か?

西洋医学的見地から見た「免疫力」とは

「免疫」を西洋医学で説明する場合、一般的に「免疫系」という言われ方をします。これは体の外から侵入する異物を排除し、身体を守る生体システムのことです。免疫細胞はまず、骨髄で作られます。その後、各自がそれぞれの働きを担った免疫細胞へと分化していきます(下図)。下図の赤血球と血小板を除いたものがいわゆる免疫細胞で、総称して「白血球」と呼ばれます。

<免疫細胞の働き>

自然免疫(体が自然に反応する第一段階の免疫システム)
・単球 ………… マクロファージとも呼ばれ、病原菌やウイルス(抗原)を食
        べて身体を守ります。その一方で、T細胞に抗原の情報を伝え
        ます。
・好中球 ……… 白血球の50%を占める貪食細胞(異物を食べる細胞)。
・好酸球 …………呼吸器や消化管に存在し、病原体を処理する貪食細胞。
・好塩基球 ………好中球や好酸球の移動を助ける細胞。
・NK細胞 ………常時存在し、ウイルスやがん細胞を退治、処理します。

獲得免疫(第二段階の免疫システムで、記憶された情報を元に発動する免疫システム)
・T細胞 …………胸腺(Thymus)で分化するためT細胞と呼ばれており、主要
         な働きをするものが2種類存在します。
  ・「ヘルパーT細胞」
    抗原やがん細胞を見つけ出し、B細胞とキラーT細胞に指令を出します。
  ・「キラーT細胞」
    抗原やがん細胞を処理します。
・B細胞 …………抗原を処理する抗体を作りだします。

以上、西洋医学的な視点で大まかに見るだけでも、免疫系は非常に複雑に絡まったシステムであることが分かります。この免疫系がしっかり働いているからこそ、厳しい環境に晒されても健康な肉体が守られるのですね。

しかし、免疫系が過剰に反応すると、アレルギーや自己免疫疾患などの病気を引き起こしたり、暴走すると「サイトカインストーム」を引き起こして命に係わることがあります。免疫力は多くても少なくてもダメで、適度なバランスを保つことが重要です。

東洋医学的見地から見た「免疫力」とは

漢方を始めとした東洋医学は、心身のバランスを整えることを第一に考えます。心身のバランスを正常化し、邪気(ウイルスや細菌など外因の邪気、ストレスや過労など内因の邪気)を跳ね除け、病気にならない身体を作ります。

さて、病気にならないようにするにはどのようにすれば良いのでしょうか?

東洋医学では、心身のバランスがとれて肉体的にも精神的にも充実し、病気になりにくい状態を「正気が充実している」と言います。正気が不足することを「している」と言います。

〇 正気 > 邪気  ・・・  病気に罹りにくい状態です。
〇 正気 = 邪気  ・・・  邪気と正気が同等の力を持っている状態。
         正気が勝れば快癒し、邪気が勝れば病気が長く続きます。
〇 正気(虚) < 邪気(実)  
           ・・・  病気に罹りやすく、治りが遅い状態です。


この「正気」、まさしく「免疫力」と同じようなことを表していますね。 

正気を充実させるには 

何と言っても生活スタイルを整えることが重要です。

こんな生活を送っていませんか?
〇 睡眠不足に陥っていて、疲れがなかなか取れない。
〇 暴飲暴食やダイエットなどで、栄養の過不足が起こっている。
〇 アルコールの飲みすぎで肝臓の数値が心配。
〇 ストレス過多でいつもイライラしている、不安感がいつもある、など。
〇 普段から全く運動をしていない。

仕事や学業が忙しくてそれどころではないと思われるかもしれませんが、一度ご自身の生活を振り返り、無理な生活様式を送っていないか確認することが重要です。

〇 必要な睡眠時間は人それぞれですが、一般的に6~8時間必要と言われてい
  ます。
〇 炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分をバラン
  ス良くとれる食事を心掛けましょう。
〇 肝臓は体の不要物を処理してくれる大切な臓器です。時々でも良いので労わ
  ってあげましょう。
〇 感情も過度になると内邪と呼ばれる邪気になり、身体の内側から身体を徐々
  に傷つけていきます。ストレス発散するなどして、気持ちを整えていきまし
  ょう。
〇 体力をつけるためにも適度な運動は大切です。軽いウォーキングだけでもス
  トレス解消になり、一石二鳥です。

<参考>農林水産省HPより引用「食事バランスガイド」

正気不足を補う漢方薬

さて、免疫力を高めるのには生活習慣を整えるのが重要なことが分かりましたね。しかし、元々虚弱な人は運動が苦手だったり、食事も小食気味であまり栄養が摂れなかったりと、簡単に生活習慣が変えられる人ばかりではありません。そんな方には漢方薬がお勧めです。本ブログでは代表的な漢方薬をご紹介いたします。

●「衛気不足」の方に

「衛気(えき)」とは、皮膚や鼻・気管支などの粘膜細胞を強化して免疫力を整え、外的刺激から体を守(衛)る力のこと。体表にバリアを張り巡らせて邪気の侵入を阻止し、病気になる前に防ぎます。

衛気が不足している状態を「衛気虚」と言い、外的刺激の影響を受けやすくなります。具体的には、風邪をひきやすい、疲れやすい、呼吸器系の異常、多汗、季節の変わり目や気温変化に体調を崩しやすいなどの症状が表れます。

中国古典文献『丹溪心法(たんけいしんぽう)』には、衛気の働きを強める「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」という処方があります。体の表面に屏風を立てて、外からの邪気を防ぐ効能があるというのが名前の由来。免疫機能を回復させる切り札として中国で広く使われてきました。

玉屏風散は皮膚や粘膜を強化する黄耆(おうぎ)を中心に、白朮(びゃくじゅつ)、防風(ぼうふう)を組み合わせ、衛気虚(えききょ)による諸症状を改善します。
 ※イスクラ産業(株)の「衛益顆粒S」は玉屏風散と同処方です。

∴玉屏風散∴

玉塀風散
小太郎漢方製薬(株)「玉屏風散エキス細粒G」90包入 9,000円

∴イスクラ衛益顆粒S∴

イスクラ衛益顆粒S
イスクラ産業(株)「衛益顆粒S」90包入 8,000円

●「気・血不足」の方に

表面の「衛気」だけでなく、体内の「気」や「血」が不足し、免疫力が低下している方も日本人には多く見られます。食欲がなく疲れやすい、貧血気味などの症状がある方は、「気」や「血」を補う漢方薬で、内面から免疫力を強化していくことが重要です。

∴補中益気湯∴

疲れやすくて手足がだるい、などの気虚(「気」の不足)の代表処方です。胃腸の病気を始めとした色々な慢性の病気で「気」が消耗し、「気虚」の状態に陥った人に用います。また、胃下垂や脱肛など内蔵の筋力の低下による症状にも用いられます。

小太郎製薬(株)「補中益気湯エキス細粒G」90包入 9,000円

∴十全大補湯∴

「気虚」と「血虚(血の不足)」が同時に見られる症状に用います。疲れやすく元気がないなどの気虚の症状と、顔色が悪く貧血気味であるなどの血虚の症状の両面に対応します。慢性的に消耗し、栄養状態と機能状態の両方が低下した人に用い、体力を回復させる働きがあります。

小太郎漢方製薬(株)「十全大補湯エキス細粒G」90包入 11,200円

本ブログ記載の漢方薬は当店でも取り扱いがございますので、ご興味のある方は遠慮なくお問い合わせください。バラ売りの対応もしております。また、上記で紹介した漢方薬以外にも不足を補う漢方薬(補剤)は多々ございますので、体力低下や免疫力が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

《編集後記》
子供の頃から身体があまり丈夫ではなく、すぐに疲れたり、水泳の途中で力尽きて沈んでしまうような子供でした(今でもあまり泳げません)。ですが、それほど大きな病気をせずにこの歳まで生きてこられたのは、自分に合った養生を知らず知らずのうちにしていたのだと思います。普段から丈夫ではない人は、意外と長生きをするものだと言われています。きっと無意識に無理なことは避けるような生活をしているのかもしれませんね。反対に元々丈夫であっても体力を過信し、無理を重ねて大病を患う人を多く見てきました。遺伝的な体力の有る無しは存在しますが、どちらであっても自身の体の状態に注意を払い、養生することは大切なことだと思います。まずは体の抵抗力をつけ、病気になりにくい身体づくりから始めてみてはいかがでしょうか。

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